2019年5月17日

省エネ基礎講座

【2019年最新版】自家消費型太陽光発電5つのメリット

自家消費型太陽光発電の5つのメリットをわかりやすくご紹介しています。

自家消費太陽光5つのメリット

企業が導入する「太陽光発電」といえば、
近年までは売電を目的とした「投資用太陽光発電」が主流でした。

しかし2017年頃を境に、自社で使用する電力を発電する「自家消費型太陽光発電」への人気が高まっています。

このページでは「自家消費型太陽光発電」について詳しく解説していきます。

「投資用太陽光発電」とは?

まず「投資用太陽光発電」とはどのようなものなのでしょうか?

簡単に言ってしまうと「太陽光発電所を作り、発電した電気を電力会社に販売する」ことで利益を得る太陽光発電の事を言います。

国による「 固定価格買取制度 ( FIT )」により20年間固定の単価で電気を売ることが出来る為、施行開始の2012年から非常に人気の高い投資物件になっています。

投資用太陽光発電は「全量買取型太陽光発電」「産業用太陽光発電」と呼ばれることもあります。

対して「自家消費型太陽光発電」とは?

対して「自家消費型太陽光発電」とは「作った電気を自社で使う」太陽光発電です。

2017年頃から「自家消費型太陽光発電」の人気が上昇

この「投資用」と「自家消費型」2種類の太陽光発電ですが、2017年頃から自家消費型の人気が高まって来ています。

自家消費を導入するメリット

なぜ自家消費型太陽光を導入する企業が増えているのでしょうか?
そのメリットについて解説していきます。

メリット1: FIT よりも得になりつつある。

固定価格買取制度 ( FIT )の買取単価が年々減少

「投資用太陽光発電」は最大の魅力であった 固定価格買取制度 ( FIT )が値下がりを続け、以前ほどの人気は無くなって来ています。
年々下がる買取単価

もちろん投資用太陽光発電も FIT が下がっている分資材費が割安になってきているので、充分な利回りが確保できます。

この為社外に土地付きの投資用太陽光発電を購入する方はまだ多いのですが、

企業の敷地内に新たに太陽光発電を設置する場合、後述の BCP対策 も合わせて自家消費型太陽光発電の人気が上がって来ています。

電気料金の値上がり

対して東日本大震災以降、電気料金が毎年値上がりを続けています。2015年に小売全面自由化が始まり少し落ち着きましたが、2017年にまた値上がりしています。

【資料】産業用電気料金の推移

産業用電気料金の推移

FIT と電気料金の推移を比較

上記の FIT の推移と電気料金の推移を比較してみます。
2012年時点では売電の方が遥かに利益があったのですが、年々差が無くなって来ています。
 FIT と電気料金の推移を比較

先を見越すと自家消費の方が得になる可能性が高い

例えば2018年に18円の単価で売電を始めれば、20年間(2038年まで)18円で売電を続けることが出来ます。

しかしながら買う電気料金は当然固定ではありません。例えば10年後に電気料金が19円になってしまったら、売るよりも使った方が得になるのです。

こうした面からも「電気料金単価」だけで見ても、自家消費型を選ぶメリットが出始めているのです。

メリット2:電気料金の値上がり対策になる

今後の電気代の値上がりに備える為に、自家消費型太陽光発電を導入しておく企業も増えています。

高まる電力需要

電力広域的運営推進機関によると、この先9年間の電力需要の見通しは200億kW増加(大規模原子力発電所2基分)とされています。
高まる電力需要

今後の電気料金は、化石燃料の為替に左右される?

このように電力需要増加が予想される中、不足する電力をどう補うのでしょうか?

  • 原子力発電所が各地で再開されることは考えにくい
  • 再生可能エネルギーが不足分を補うのは困難
  • 上記の理由から、今後も国内の電力は火力発電に頼る可能性が高く、電気料金を決定づけるのは燃料となる「液化天然ガス」「石油」「石炭」の為替レートや輸入コスト次第といえます。

    先の正確な見通しはできませんが、上記の理由から値上がりする可能性は高いと考えられています。

    太陽光発電を導入した場合の電気代は「7.27円」

    それでは太陽光発電を導入すると、電気代はどうなるのでしょうか?

    太陽光発電所を1,200万円で設置し、月間発電量が5500kWhとします。
    その発電所で少なくとも25年間発電できるので、設備費用を電気代に置き換えて1kW辺りの単価を出すと「7.27円」で済みます。

    導入費用月間発電量25年間発電量1kW単価電気料金単価(2017年)差額
    ¥12,000,0005500kWh1650000kWh¥7.27¥18.92¥11.65

    太陽光発電導入による「62%以上」の削減効果

    更に前述した電気料金の単価と比較してみると、1kW辺り11.65円(約62%)削減できる計算になります。

    年間の削減費用に直すとおよそ77万円の削減効果があります。

    2017年時点の電気料金で計算するとこの金額ですが、今後の電気料金の値上がりによってはより大きな削減効果が期待できます。

    仮に値上がりした金額を想定すると、以下のような削減効果が実現できます。

    電気料金単価¥20¥22¥24¥26¥28
    年間削減額¥840,000¥972,000¥1,104,000¥1,236,000¥1,368,000


    電気料金が7円を下回ることは考えにくい為、よほど電気料金が値下がりしない限り、明らかに得になる施策であると言えます。

    メリット3:災害時の事業リスクに備えられる

    東日本大震災から7年が経ち、原発問題への関心が薄らいでいるのではないか?というニュースも聞かれます。

    しかし自然災害対策については、企業の関心は近年より高まっています。

    • 2018年9月6日:北海道胆振東部地震
    • 2018年6月28日:西日本豪雨
    • 2018年6月18日:大阪北部地震
    • 2016年10月21日:鳥取地震
    • 2016年4月14日:熊本地震
    • 2011年3月11日:東日本大震災

    東日本大震災以降も、熊本地震や鳥取地震、2018年に入ってからは大阪北部地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など、大きな災害が度々起こっています。

    南海トラフ地震への危惧も広がっています。

    こうした背景から、災害時の事業継続( BCP対策 )に対する関心が企業の中で高まっています。

    災害時の電源としての太陽光発電

    大地震などに見舞われた際には、電気や水道、ガスなどのライフラインが断たれる事態が想定されます。

    その際の非常用電源として、太陽光発電が活用できます。
    (一般的には、 蓄電池 と併せて活用されることが多いです)

    災害時になぜ電源が必要か

    震度7以上の地震や西日本豪雨並みの大規模な災害が起こった際には、電気の復旧にはおよそ1週間かかります。

    その1週間に、従業員の安否確認や取引先への連絡、業務に関する指示などを迅速に行えるかどうかが、その後の事業の早期再開にとって重要であると言われています。

    また工場などの電気を多く使う事業では、災害直後に電気の使用制限がかかってしまった場合に通常の操業が難しくなってしまいます。

    その際に太陽光発電で随時電気を創ることが出来れば、独占できる電源を確保することが可能になるのです。

    災害対策の整備は取引先からの信頼に繋がる

    地震への危惧が高まる中、万が一被災した取引先から部品が届かないとなると、そこから大きな被害を被ってしまうこともあります。

    そうしたリスクを最小限に留める対策をしていた方が、取引先企業としては安心してビジネスが行えるのです。

    つまり逆の立場で考えると、災害対策を行っていた方が取引先企業からの信頼を得る事ができるのです。

    地域からの信頼性向上

    自社の事業継続だけに留まらず、地域との関連性の強い企業の中には、自家発電や 蓄電池 などの設備を、災害時に地域に開放できるように整備している企業もあります。

    こうした地域貢献による、地域からの信頼性向上に繋がる点も太陽光発電のメリットです。

    ※災害時の対策(BCP)については、こちらに詳しくまとめてあります。

     ご興味のある方はご参照ください。

    メリット4:電気の基本料金削減になる

    また電気料金の話に戻りますが、前述したように自家発電にすることによって、電気代の単価を下げる事ができます。

    しかしそれ以外にも「基本料金」を下げる事もできるのです。

    電気料金の内訳

    産業用に使用されている電気代は、下記のような内訳になっています。
    電気料金=基本料金+電力量料金+消費税基本料金=単価×契約電力( 最大デマンド )× 力率割引
    このように、電気代は基本料金と電気量料金から成っており、
    その基本料金は「 最大デマンド 」と単価を掛け合わせて算出されます。

    「 最大デマンド 」とは?

    この「 最大デマンド 」とは「過去1年以内で最も電気を使用した時間帯の電力量」の事です。

    下図のように、過去1年に30分でも高い電力を使用すると、1年間の基本料金が高くなってしまいます。
    1月の月間 最大デマンド が高かった時、12月の基本料金は?
    ※この例の場合、12月の使用電力の 最大デマンド は200kWです。
     しかし1年以内に500kW使用した月もある為、基本料金は500kWを基準に設定されます。

    太陽光発電で基本料金を下げる

    太陽光発電を導入することで、特に日中の使用量が多い事業は 最大デマンド を下げる事ができます。

    つまり太陽光発電を導入することで、電気の単価だけでなく基本料金も下げる事が出来るのです。

    ※デマンドについては、こちらに詳しくまとめてあります。

     ご興味のある方はご参照ください。

    メリット5:中小企業の節税対策になる

    また太陽光発電設備の導入には平成29年度から施行されている「 中小企業経営強化税制 」により、 即時償却 または7%~10%の税額控除を受ける事ができます。

    期間:平成29年4月1日から令和2年3月31日まで

    これにより自家消費型太陽光発電システムにかかる固定資産税軽減を図ることが可能です。

    ※税制控除については、こちらに詳しくまとめてあります。

     ご興味のある方はご参照ください。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?

    • メリット1: FIT よりも得になりつつある。
    • メリット2:電気料金の値上がり対策になる
    • メリット3:災害時の事業リスクに備えられる
    • メリット4:電気の基本料金削減になる
    • メリット5:中小企業の節税対策になる

    このように様々なメリットがあります。

    以前は売電の方が圧倒的にメリットの大きかった太陽光発電ですが、このように自家消費型のメリットが大きい時代になって来ています。
    導入をご検討の方はぜひお気軽にご相談ください。

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